Yarn Getting Tangled

美術のこと、読書のこと、編み物のこと、大学院生から引きずっている適応障害で休職している日々のことを綴ります。

休職日記:旅先でパニックを起こす

先日、配偶者と4日ほど旅行に行ってきました。楽しい経験もたくさんあったのですが、今患っている症状が悪く進んだな、という場面があり、少しショックを受けたので書き残しておきます。

 

なお、私は現在休職中です。これまでの経緯についてはこちら。

再休職しました - Yarn Getting Tangled (hatenablog.com)

 

飛行機でパニックを起こす

目的地までは国内線で片道1時間半ほどのフライトでしたが、この決して長くない間に軽めのパニックを起こしてしまったのです。

具体的には、旅客機に乗り込んでからシートベルトを締め、離陸するまでの2~30分ほどの時間、急に「この閉じられた空間にいるのが怖い」「こんなに多くの人がいるのに、怖くて泣き叫んでしまったらどうしよう」「飛行機が落ちたら死んでしまう」などの思いが脳内から消えなくなり、動悸や息切れが酷くなるという内容でした。

その時は慌ててとりあえず頓服(本来は耳の閉塞感を感じた時向けの漢方、睡眠導入向けのエチゾラム錠の2種)を飲み、錠剤シートをぎゅっと握ってシートの角が皮膚に食い込む痛みで冷静さを取り戻そうとしていました。あとはKindleで小説を読んだり。

離陸が終わると徐々に落ち着いて、結局客室乗務員を呼んだりすることもなく、傍から見るとちょっと挙動不審な人レベルだったのかなとは思います。ただ、同行していた配偶者からすると、さっきまで普通に旅行にはしゃいでいたのに急に怖がる姿がかなり異様に見えたでしょうし、ものすごい心配をかけてしまいました。

 

無事に飛行機から降りた後、パニックになったこと自体へのショックが徐々に頭をもたげてきました。今まで国際線で10時間以上のフライトにも数回乗っているのですが、特に今回みたいな恐怖を感じることはなかったのに、なぜ? しかも行きのフライトでこうなったということは帰りのフライトでもこうなるだろうという予感は大いにしますし、「無事帰れるのか?」ということばかり考えていました。

 

旅行中もたびたびパニックに

結局、旅行中は帰りのフライトどころか、ちょっと地下鉄に数駅乗るだけでも度々パニックが出てしまいました。毎回と言うわけではなく、日中は比較的平気ですが夜になるとしんどくなる、という感じです。ただ、それゆえに配偶者は「さっきは行けたのに何で今はダメなの?」と感じる場面もあったでしょうし、とかく観光なんて公共交通機関無しに成り立たないので本当に申し訳なかったです……。

自分ですらそこの匙加減は把握し切れないというか、直前までは本当に移動した先で何をするか楽しみにしているんですよね。電車やバスに乗る場面になって急に怖気づいてしまう。

 

ただ、何度か乗る内に個人的な対策はできるようになってきました。

  • 飴・水を口に含む
    何かが口に入っていると気がそれるというか、少し恐怖感から目を背けられる気がします。水があると頓服も飲めますし。
  • 利用する交通機関の着時間を把握しておく / 途中停車駅の多いものを利用する
    少しでも不安を減らす作戦ですが、これは「着くまであとXX分もある!」と却って恐怖をあおる場合もあるので自分の中でも効く時・効かない時がよく分からないです。しかも今回は旅行中にスマホが壊れた(まさに泣きっ面に蜂)ので、ひたすら配偶者に「いつ着く?」と聞きまくってしまいました。
    あと、全体的な速さを犠牲にしてでも、途中停車駅が多い列車(特急よりは急行)を選んだ方が「最悪途中下車できる」という安心材料になったりもします。でも早い方が苦痛の時間は減るしな……ここらへんはまだ模索中ですね、
  • 既読の小説を読む
    初めて読むものが頭に入ってくる精神状態では無かったので、ある程度筋を覚えていて、人が死んだり辛い描写がものすごい強いわけでなく、それでいて話に入り込めるものが私には有効だった気がします。
    この旅行では津村記久子『この世にたやすい仕事はない』、メレ山メレ子『こいわずらわしい』、石田夏穂『我が友、スミス』など読んでいました。端末1つで次々過去読んだものをひっぱりだせるKindle最高。普段から「安心毛布」的読書リストを作っておくといいのかもしれません。
  • 頓服をすぐ飲める状態にしておく
    交通機関では、錠剤シートを握りしめっぱなしでした。手に食い込む角の痛さで冷静さを保とうとする側面もあったのだと思いますが……(一種の自傷行為みたいでもありますが)。
    とはいえ、今回飲んだ頓服は抗不安作用があるとはいえ、あくまで睡眠導入用のものなので、なるはやでかかりつけの病院に正しい処方をしてもらう必要はあるよなと思います。

 

一番の懸念だった帰りのフライトも、事前に頓服を飲み、飴・お茶・Kindleをスタンバイして乗り込んだところ、なんとかパニックには陥りませんでした。代わりに、ごく薄く「この空間からしばらく出られない」というような恐怖の膜にずっと覆われていて、そこからKindle等々で目をそらし続けるという感じだったので、「克服できたぜ!」という勝利感とかは無かったですが……。

 

無事に帰宅したが、うっすらした恐怖感の膜に覆われ続ける

というわけで無事に帰ってきたのですが、やっぱりうっすら「またパニック発作が起きて公共交通機関に乗れないのでは?」(予期不安というやつ)、ひいては「この状況ではフルタイムで働くことはおろか、リワーク等に通うことも無理では?」という恐怖感が何をしていても付きまといます。前者に関しては、今週中に電車で近場まで行ってみて試す予定。

あと、再休職時から自分なりに徐々に活動量を増やし、体調を整えてきたつもりだったのに、ここにきて症状が進んでしまったというショックも強いです。回復に向かってるなと思ったけれど、ここにきてふりだしよりちょっと後ろに戻った感じ。一進一・五退ですかね。三退くらいかも? これに関しては四の五言わずに日々を積み重ねていって治るのを待つしかない、というのは百も承知なのですが……。

 

とりあえず、今週末に友人と休職時の職場近くで会う予定があるので、電車で無事にそこへ向かえることを目標に生きていきます。

旅行で楽しかったこともたくさんあるので、noteの方とかに書けたらいいな。