Yarn Getting Tangled

美術のこと、読書のこと、編み物のこと、大学院生から引きずっている適応障害で休職している日々のことを綴ります。

12/11 第二回日記祭へ行く

12/11(日)、東京・下北沢BONUS TRACKにて「日記屋 月日」さん主催で開催されたイベント、第2回「日記祭」に行ってきました。当ブログの記事を掲載いただけたノベルティの「はてなブログの日記本」がお目当てです。

第2回「日記祭」を開催します | 日記屋 月日 (stores.jp)

 

「日記祭」なので、この記事も当日の日記から抜粋してみます。

 

日記祭で購入した本たち(BONUS TRACKの店舗で購入したもの含む)

 

12/11


昨日、眠る前に偶然ピップ・ウィリアムズ『小さなことばたちの辞書』をKindleストアで見つけ、サンプルを読んだら面白くそのまま購入。50%ポイント還元なので2000円超えててもほいほい買っちゃう。オックスフォード英語大辞書とフェミニズムの物語。
結局1時過ぎまで寝付けず、短い夢を繰り返し見る。最近眠りが浅い。

ご飯を食べ、10時半ごろ下北沢へ向かう。配偶者も付いてきてくれる。
行く前にすでに耳が詰まり、体調悪いかも、と思ったが特に電車に乗れなくなることなくスムーズに向かう。

 

はてなブログブースで日記本をもらう

新代田駅から住宅街をくねくね歩いてBONUS TRACKへ。
さっそくはてなブログのブースで日記本をもらう。係の人は優しく接してくださったが、恥ずかしくてとうとう「私ここに掲載していただいてるんです」とは言えなかった。(別に宣言する必要もないんだけれども)

なぜかチェキも撮ってもらう。人生初体験。小さな台紙に徐々に画像が浮かび上がってくる。撮る瞬間に眼鏡が曇ったので、私の目元だけぽっかり白抜きになって出現した。

我慢できず、ブースを出たところで邪魔にならないようちょっとだけ日記本を開いてみる。2022年の1月から時系列順に60名あまりの記事が並ぶ。自分の記事もちゃんとその中に入っていて、見知らぬ人々の日常に接続されている。同じ本に載った人とは一生顔を合わせないだろうけれど、緩いつながりの中に迎え入れてもらった気がして嬉しくて、ちょっとずつ大事に読むことにする。

BONUS TRACKは書店、飲食店などの複合施設で、建物のあいだに机一個分のブースがいくつも出ていた。ぎゅっとブースの詰まった文フリより密度が低いせいか、ちょっとサンプルを見せていただくのにも照れてしまい、ブースをチラ見しながら何度も会場を回遊する怪人物となる。

ミドリ「日記のきっかけ展」

文具メーカー、ミドリが出している日記帳と、実際に使用されているものが何冊も展示されていた。特に後者は3年日記や5年日記があり、同じ日記帳を数年のスパンで使用していることや字のきれいさなどへの尊敬が沸き上がる。

私も地味にDaylioという日記アプリで継続1243日目なのだが、今年の5月までは「仕事」「しごご定時!」「残業つら」など1日平均5字くらいしか書いていない。(6月以降は休職して暇になったので急に1日数十行書くようになった)

また、このアプリだと、過去の日記を見返すためにはひたすらスクロールしていくしかないが、展示されていた日記帳は日付単位の断面でいいなと思った。例えば、12/11のページが5か所に区切られて、2018年、2019年、2020年……と各年の12/11の記録を同じページに書いていくことになる。これは後から読み返す時に楽しいだろうなと思うし、1年ごとのバイオリズムというか大まかな調子の上がり下がりもつかめそう。

本屋B&B

前々から名前はTwitterなどで拝見していたし、なんなら1、2度こちらの本屋主催のオンライントークイベントを拝聴した記憶もあるが、店舗に行くのは初めて。
色々大量に気になる本があり、その気になったらいつまでもいられてしまう。じっくり見たかったが、お腹が空いたので一旦昼食へ。

発酵デパートメント

昼食。配偶者はベジ担々麺、私は「ごど丼」。ごどは青森の郷土料理で、納豆に麹を混ぜてさらに発酵させたものらしい。ごど丼は、ご飯の上にごど(納豆からできているがあんまりねばついていない)、鶏ひき肉、根菜のピクルスなどを載せたもので、メニューに書いてあるとおり「すっぱうまい」。

 

ブース「かもめと街」さん

以前、地元の本屋さんや文フリ東京で著作をお見かけしたので気になっていたブース。
購入する時、「このイベントは何かで見て来られたんですか?」と聞いていただき、そこからはてなブログの本に掲載してもらったこと(わざわざ私の書いた日記のタイトルまでメモしてくれたので嬉しかった)、『まちのタイル』も以前買ったことなどを訥々と話せた。ブースで買う時、恥ずかしすぎてこちらから話しかけるのにものすごい勇気がいるので、会話のきっかけを作ってくださるのはとても嬉しい。
『決めない散歩』を購入。パラパラ見たら、偶然前からものすごく気になっていたが入っていなかった店の名がありテンションが上がる。

TENTOのTENPO

「かもめと街」で購入している間に配偶者が行方不明に。うろうろして探していると、TENTOのTENPOというお店に入っていたらしい。
プロダクトデザイン事務所TENTOの直営店らしく、まな板かつ皿になる包丁とか、本を斜めに立てかけられるスタンドとか、いくつか雑誌などで観たことのある商品もあった。
ボードゲームCUBOIDの試遊ができるとのことで配偶者とやってみる。1勝2敗。

冊子『デザインなんて知らない』を買う。

ブース「hammustardsandwich」さん

『休職日記』が気になって購入。まさに休職中の身なので。開くと全編手書きだった。それだけでも手書きの息遣いや迫力があるが、さらに登場する人物や固有名詞ほとんどすべてに脚注が付いていて、こちらも本編並みに読みごたえがある。当たり前だけどみんな生きてる人なんだなあ、と思う。

 

本屋B&B(再)

もう一度B&Bに戻って、本2冊を買う。

■買った本
・『生活者のための総合雑誌 2022年秋/冬号 ちゃぶ台』ミシマ社
特集「母語 ボゴボゴ、土っ!」の語感がよすぎて。なおかつ津村記久子伊藤亜紗の名前があったので買う。

・藤井渉『ソーシャルワーカーのための反『優生学講座』 「役立たず」の歴史に抗う福祉実践』現代書館
休職して以降、自分に投げつけた言葉ランキングNo.1は「役立たず」で、それは「だから生きる価値がない」に結び付いて今もしんどい。この反射的な考えをどうにかしなくては自分はいずれまたつぶれる、とわかりつつもこの半年間どうにもできなかった。
副題の「役立たず」を見た時、この本が何か突破口になるのかも、と思わず手に取ってしまった。私は福祉の専門職でもないし、この本で話題になっていることの当事者では必ずしもないけれど、今読むべき本なのではという直感を信じてみる。

■その他気になったが見送った本
・『世宗、ハングルで世の中を変える ハングル創製の物語』クオン
ハングルが人工的に作られた文字、というのをどこかで聞いてから、いつかハングルの成り立ちを知りたいと思っていた。読みやすく面白そうだったが、ハングルちょっとでも読めた方が面白いかなと思うので少し勉強してみてから改めて手に取ってみたい。

帰宅

BONUS TRACKから下北沢駅へ向かう。両地点は細長い公園で結ばれていたが、途中でBOOK BUS(バスを古本屋にしたもの)や市民農園などがあり大変おしゃれ。気候も良くてとことこ歩くのが楽しかった。

駅内でもいくつか屋台が出ていたりストリートライブをやっていたりで、下北沢は我々が改札をくぐる最後の一秒までおしゃれな姿勢を崩さなかった。

帰りの車内で「ことのはたんご」(日本語版Wordleのようなもの)をプレイし、4文字目に「ら」、1,2,5文字目のどこかに「ぼ」の単語というところまで突き止めたがまったく候補が思い浮かばず、駅を降りてから自宅までずっと考え続ける。自宅まであと3分のところで奇跡的に思いついた単語が正解だった。嬉しい。

休職日記:11月前半 電車に乗れなかったり乗れたり

最後に記事を書いてから半月あまり。沈没と浮上を繰り返しているのですが、今わりと底のほうなので、浮上のきっかけになりますようにと願いながら近況を書いています。書くことで客観視と言うか、いい意味でこの状況を少し手放せる気がするので。

 

 

電車乗れません問題について

乗れるか乗れないかはまちまち

10月中旬の旅行をきっかけに、公共交通機関に乗る際不安が大きくなる状況が続いています。それ以来、こいつはやばいぞと週1~2は必ず電車に乗るようにしています。

勝率はまちまちで、不安をなんとか押さえつけて目的地まで乗れる場合もあれば、どうしても落ち着かず2駅くらいで降りてしまう場合、そもそも乗り込めない場合などがあります。

要因は色々あると思っていて、書き出すとすれば下記でしょうか。

  • 時間帯(午前は比較的平気だが、夕方はしんどい)
  • 車内の混み具合(座席が埋まり、つり革も大体誰かが持っている状態だと怖い)
  • 周囲の騒音(プラットホームのアナウンスとか周りの方の会話をいちいち恐ろしく感じてしまう)
  • 自分自身の体調(駅まで歩いている時点で耳が詰まったり、体のどこかが痛かったりすると電車に乗れない可能性が高い)

一番困ったのは、ある日美術館に行った帰り、頓服を飲んでも電車に乗れなかった時。乗換までは普通に乗れたのですが、乗換駅で動悸が大きくなって立ち止まってしまいました。2度電車を見送り、3度目はホームに着いた車両に乗り込んでみたものの、「ここでは息ができない」と思ってすぐ降りてしまうというありさま。

原因としては夕方で疲れが出ていたのと、帰宅ラッシュがはじまるころで、少し混んだ車内を恐ろしく感じてしまったのだと思います。

 

この時は結局、「1時間くらい家まで歩くしかない」と駅を出てしばらく歩いていると、たまたま別路線の駅を見かけ、そちらはまだ車内がガラガラだったので、そこから電車に乗って帰りました。

「結局電車に乗れなかった」という終わり方にしてしまうと、次に電車に乗るのがもっとしんどくなるので結果的によかったなとは思います。が、「いざとなれば空いてる路線に乗り換え」も、路線が複雑に入り組む都内だからでできた技……

 

この先ずっと電車乗れなかったらどうしよう、という不安が常に頭の片隅にあります。社会復帰、めちゃめちゃめちゃめちゃ遠くない?

主治医は「飛行機が怖いのは人間だれしもそう」と言う

この件については、主治医とのコミュニケーションの行き違いも結構ストレスになっています。

詳細は差し控えるのですが、「飛行機が怖い」から悩んでるんじゃなくて「公共交通機関に乗る際不安が大きすぎて生活に支障が出ている」ことがあんまり伝わらず……

「これってパニック障害/広場恐怖症というものなんじゃないの?」と思っているのですが、主治医によれば「飛行機が怖いのは人間だれしもそうだよ」とのことです。「でも実際、飛行機に限らず電車に乗れない時も発生しているんですが……」と言い募ると、「じゃあ……呼吸に気をつければいいんじゃないですかね……」とのこと。

 

「自分で電車に乗ってみる」という練習も、できれば我流ではなく主治医やプロの意見を聞きながらやりたいのですが、「別にあなたのは病気ではないですよ」みたいな感じに怯えてしまって切り出せていないままです。転院すべきなのか、もはや。

体調を崩すとメンタルも崩れる

全然別件ですが、ここ1週間、原因不明の腹痛で胃を壊して寝込んでいました。数十分ごとに腹部全体が痛くなり、動くことができなくなるという症状。

その波が来ない間は比較的平気なのですが、一旦痛みが来ると座り込んでしまうので外出もできず。結果的に一日布団の上にいることになり、腰も首も痛く、娯楽すらままならない……という状態でした。当然メンタルも引きずられてどん底

今は薬を飲みまくって胃の方はやや回復しているのですが、やっぱり精神は身体に収まっているものというか、身体が悪いと精神も引きずられるなあという実感を新たにしました。

 

元々、この週末は文学フリマに行く気まんまんだったのですが、胃を壊した余波の体調の悪さ+電車乗れません問題がどれだけ響くか分かりません。(実はリハと称して一回会場まで電車で行ってみようとしたのですが、この時は乗って2駅目で脱落しました。)

行きたい。行きたいんだけども電車に乗れるかどうかはほんとにその日まで分からない。先行きが見えなくてしんどいですが、最善の努力はつくしたい。

 

[2022/11/22追記]

11/20当日、文字通り震えつつもなんとか行って帰ってこれました。行く前は漢方の頓服を飲み、飴にKindleにリラクゼーションミュージックに……とカバンに色々車内で気を逸らすためのアイテムを詰め込むなどの大騒ぎ。書き出すとばかみたいですね。

これを機にすべて全快とはいかないですが、一つの成功体験として足がかりになれば嬉しいです。

[追記以上]

 

お知らせ:12/11日記祭にて配布される「はてなブログの日記本」に掲載いただきます

12/11(日)、東京・下北沢の「日記屋 月日」さん主催で開催されるイベント、第2回「日記祭」にて無料配布される「はてなブログの日記本」に当ブログの記事を掲載いただけることになりました。

第2回「日記祭」を開催します | 日記屋 月日 (stores.jp)

 

「日記屋 月日」さんは文字通り日記の専門店で、当日は様々な書き手の方が日記本を売るブースが立ち並ぶものだそうです(日記専門の文フリ的な感じでしょうか)。

はてなブログの日記本」は、はてなブログのユーザーの日記を集めたアンソロジー形式のものとのことで、他の書き手さんがどのような日記を寄せられているのか気になります。

体調がよければ駆けつけたい所存(すべてのことに「体調がよければ」をつけて留保せねばならない自分の現状がもどかしい)。

10/28 「できないかもしれないこと」を少しだけ「できること」に裏返す

徐々に寒くなる日々ですね。ひたひた迫りくる冬季鬱に怯えつつも、なんとかかんとかやっています。

私は現在、適応障害で休職中です。その経緯はこちら。

shibashiba-713.hatenablog.com

 

 

 

前回軽いパニック発作を起こしたという記事を書きましたが、自宅に戻ってから初めて一人で公共交通機関を使う機会があったので、軽い後日譚というか回復の過程として日記を採録しておきます。

 

10/28

朝、いつも通り配偶者の通勤にくっついて家を出る(そろそろこの行動に名前をつけたい。「通勤リハビリ」がパッと思いつくけど、それだとなんか硬いし……)。


いつもならばそのまま地元の小さい図書館に向かうが、今日は電車に乗り、2駅向こうの大きめの図書館へ向かう。

今までも休職中に少し離れた大学図書館に行ったりしているので行為としては目新しくないのだが、今日の行動には目的がある。約1週間前、旅の途中でパニックを起こしてしまった。旅行中は配偶者も同行していたし、頓服も飲んだので何とか乗り切れたのだが、一人でも公共交通機関に乗れるかどうかは分からない。


一度パニックになっただけで、これまで日常的にできていたこと(一人で電車やバスに乗って移動すること、人込みに行くこと、狭い建物や地下街に行くこと等々)が、オセロのコマがひっくり返るみたいに「できないかもしれないこと」になっていく。
今日図書館へ向かうのは、そのコマをほんの少しだけひっくり返す行為だ。

 

結果的に言うと、一応普通に乗ることができた。
最寄り駅の次がいろいろな路線が交わる駅であることもあって、最初の1駅間は結構人が乗り込んでおり、一瞬ぐらりとするような、「ここでパニックになったらこれだけの人に迷惑をかける」という思いが脳裏をよぎったが、コートのポケットに入れた頓服を握りしめ、スマホに入れたKindleで何でもいいから情報を脳に入れて耐えた。次の駅に着くとどっと人が降りたので少し緊張が緩み、そのまま目的の駅までたどり着いた。
空いている車内ならそんなにおびえず乗れそうだ。

将来的にフルタイムで週5通勤できるかはまた別の問題だけれど、1枚だけでもコマを「できること」側へひっくり返しなおせたならば万々歳。

 

目的地の図書館は大きくて新しく、普段行っている図書館の1.5倍くらいの蔵書がある。
なにより、1Fにカフェが入っているので気軽に昼食を取れそうなところが気に入った。ロッカーもあるし、その気になれば一日作業できそうだ。
昼頃まで書架の間を歩き回り、カフェでベーグルとあんドーナツを食べる。
電車でたった2駅の距離なので、帰りは歩いて帰ることにした。数十分の距離を歩くとさすがに途中で疲れ、通りがかった公園のベンチに座って今日借りた本を読む。

 

読んでいるといきなり見知らぬ人に、「あなたさっきから一生懸命読書されてるから、よかったらこれ」と新興宗教のチラシを見せられる。反射的に本をカバンにしまい、「いやあとんでもない」ととっさに作った笑顔を向けつつ早足で去ろうとすると、「命を大事にね!」という声が追いかけてきた。
いきなり声をかけられた怖さ、そんなに死にたそうに見えたのかという感慨、そんなことより私、なにが「とんでもない」だよちゃんと断れ、という自分への叱咤等がないまぜになりながら、後ろを何度も振り返り、曲がる必要のない角を何度も曲がりながら帰宅する。

 

たまに水底を蹴るように浮上した瞬間があるかと思えば、ささいなできごとでまた深く潜りこんでしまう日々だ。元気な時も大概そうだが、今はとりわけその波が大きい。

 

帰宅後すぐは「さっきこういうことがあって……」と誰かに話して回りたいような心細さを覚えたけれど、しばらくしたらそうした気持ちも過ぎ去って夕食の支度をした。今日のメニューは、数週間前に作り置いておいた野菜のポタージュを冷凍したものを和風だしでのばし、油揚げを入れて味噌汁風に仕立てたものと、豚肉のはちみつケチャップ炒め。適当ながらそこそこ私にとっては美味しく作れている。そのことに毎回なんとなく救われるような気持ちだ。

休職日記:旅先でパニックを起こす

先日、配偶者と4日ほど旅行に行ってきました。楽しい経験もたくさんあったのですが、今患っている症状が悪く進んだな、という場面があり、少しショックを受けたので書き残しておきます。

 

なお、私は現在休職中です。これまでの経緯についてはこちら。

再休職しました - Yarn Getting Tangled (hatenablog.com)

 

飛行機でパニックを起こす

目的地までは国内線で片道1時間半ほどのフライトでしたが、この決して長くない間に軽めのパニックを起こしてしまったのです。

具体的には、旅客機に乗り込んでからシートベルトを締め、離陸するまでの2~30分ほどの時間、急に「この閉じられた空間にいるのが怖い」「こんなに多くの人がいるのに、怖くて泣き叫んでしまったらどうしよう」「飛行機が落ちたら死んでしまう」などの思いが脳内から消えなくなり、動悸や息切れが酷くなるという内容でした。

その時は慌ててとりあえず頓服(本来は耳の閉塞感を感じた時向けの漢方、睡眠導入向けのエチゾラム錠の2種)を飲み、錠剤シートをぎゅっと握ってシートの角が皮膚に食い込む痛みで冷静さを取り戻そうとしていました。あとはKindleで小説を読んだり。

離陸が終わると徐々に落ち着いて、結局客室乗務員を呼んだりすることもなく、傍から見るとちょっと挙動不審な人レベルだったのかなとは思います。ただ、同行していた配偶者からすると、さっきまで普通に旅行にはしゃいでいたのに急に怖がる姿がかなり異様に見えたでしょうし、ものすごい心配をかけてしまいました。

 

無事に飛行機から降りた後、パニックになったこと自体へのショックが徐々に頭をもたげてきました。今まで国際線で10時間以上のフライトにも数回乗っているのですが、特に今回みたいな恐怖を感じることはなかったのに、なぜ? しかも行きのフライトでこうなったということは帰りのフライトでもこうなるだろうという予感は大いにしますし、「無事帰れるのか?」ということばかり考えていました。

 

旅行中もたびたびパニックに

結局、旅行中は帰りのフライトどころか、ちょっと地下鉄に数駅乗るだけでも度々パニックが出てしまいました。毎回と言うわけではなく、日中は比較的平気ですが夜になるとしんどくなる、という感じです。ただ、それゆえに配偶者は「さっきは行けたのに何で今はダメなの?」と感じる場面もあったでしょうし、とかく観光なんて公共交通機関無しに成り立たないので本当に申し訳なかったです……。

自分ですらそこの匙加減は把握し切れないというか、直前までは本当に移動した先で何をするか楽しみにしているんですよね。電車やバスに乗る場面になって急に怖気づいてしまう。

 

ただ、何度か乗る内に個人的な対策はできるようになってきました。

  • 飴・水を口に含む
    何かが口に入っていると気がそれるというか、少し恐怖感から目を背けられる気がします。水があると頓服も飲めますし。
  • 利用する交通機関の着時間を把握しておく / 途中停車駅の多いものを利用する
    少しでも不安を減らす作戦ですが、これは「着くまであとXX分もある!」と却って恐怖をあおる場合もあるので自分の中でも効く時・効かない時がよく分からないです。しかも今回は旅行中にスマホが壊れた(まさに泣きっ面に蜂)ので、ひたすら配偶者に「いつ着く?」と聞きまくってしまいました。
    あと、全体的な速さを犠牲にしてでも、途中停車駅が多い列車(特急よりは急行)を選んだ方が「最悪途中下車できる」という安心材料になったりもします。でも早い方が苦痛の時間は減るしな……ここらへんはまだ模索中ですね、
  • 既読の小説を読む
    初めて読むものが頭に入ってくる精神状態では無かったので、ある程度筋を覚えていて、人が死んだり辛い描写がものすごい強いわけでなく、それでいて話に入り込めるものが私には有効だった気がします。
    この旅行では津村記久子『この世にたやすい仕事はない』、メレ山メレ子『こいわずらわしい』、石田夏穂『我が友、スミス』など読んでいました。端末1つで次々過去読んだものをひっぱりだせるKindle最高。普段から「安心毛布」的読書リストを作っておくといいのかもしれません。
  • 頓服をすぐ飲める状態にしておく
    交通機関では、錠剤シートを握りしめっぱなしでした。手に食い込む角の痛さで冷静さを保とうとする側面もあったのだと思いますが……(一種の自傷行為みたいでもありますが)。
    とはいえ、今回飲んだ頓服は抗不安作用があるとはいえ、あくまで睡眠導入用のものなので、なるはやでかかりつけの病院に正しい処方をしてもらう必要はあるよなと思います。

 

一番の懸念だった帰りのフライトも、事前に頓服を飲み、飴・お茶・Kindleをスタンバイして乗り込んだところ、なんとかパニックには陥りませんでした。代わりに、ごく薄く「この空間からしばらく出られない」というような恐怖の膜にずっと覆われていて、そこからKindle等々で目をそらし続けるという感じだったので、「克服できたぜ!」という勝利感とかは無かったですが……。

 

無事に帰宅したが、うっすらした恐怖感の膜に覆われ続ける

というわけで無事に帰ってきたのですが、やっぱりうっすら「またパニック発作が起きて公共交通機関に乗れないのでは?」(予期不安というやつ)、ひいては「この状況ではフルタイムで働くことはおろか、リワーク等に通うことも無理では?」という恐怖感が何をしていても付きまといます。前者に関しては、今週中に電車で近場まで行ってみて試す予定。

あと、再休職時から自分なりに徐々に活動量を増やし、体調を整えてきたつもりだったのに、ここにきて症状が進んでしまったというショックも強いです。回復に向かってるなと思ったけれど、ここにきてふりだしよりちょっと後ろに戻った感じ。一進一・五退ですかね。三退くらいかも? これに関しては四の五言わずに日々を積み重ねていって治るのを待つしかない、というのは百も承知なのですが……。

 

とりあえず、今週末に友人と休職時の職場近くで会う予定があるので、電車で無事にそこへ向かえることを目標に生きていきます。

旅行で楽しかったこともたくさんあるので、noteの方とかに書けたらいいな。

大学図書館で毛玉について調べた日

前回、休職中の過ごし方について書きました。

shibashiba-713.hatenablog.com

 

朝は大体配偶者の通勤について行く形で家を出て、自宅近くの図書館に行っているという話をしましたが、昨日久々に通勤後、電車に乗って出身大学院の図書館まで行ったので、個人的に書いている日記を採録してみます。休職中の過ごし方のバリエーションとして。

 

10/13 大学図書館へ行く

 

雨がぱらぱら降る。冷え込む日だ。
今日は配偶者と共に改札を通り、電車に乗り込むことにする。出身大学院の図書館へ行き、利用証を作るためだ。このあいだ観た京都国立博物館河内長野の霊地 観心寺金剛寺」展で、鹿が吐き出した毛玉(鹿玉)が寺宝として展示されているインパクトがどうしても忘れられず、関連資料を調べたかった。

note.com


久々の遠出のためか、大学最寄り駅で動悸がすごくなったので、ベンチで頓服を飲んで少し休む。

何とかたどり着いたキャンパスは銀杏臭かった。あらゆる建物の入り口に「関係者以外立ち入り禁止」とあり、今更ながらコロナを感じる。図書館だけは卒業・修了生に限り入館証を作成すれば閲覧利用が可能になっており、他館は予約必須が多い中でありがたいことだ。入館証作成のために必要な、A3サイズのでっかい学位記(折り畳めない)を運んだ甲斐があった。しかも旧姓で入館証を作ってくれて嬉しい。
また、建物内は在学中に行っていたリニューアルが終わり、フロア数が増えていてびっくりした。学位記がでかすぎてうろうろするのは断念したが、次行ったときは色々見て回りたい。

お目当ての京博の社寺調査報告書を調べる。知恩院にも牛玉と呼ばれている毛玉が収蔵されていることが分かった。むしろ「牛玉」の呼称のほうが『大日本国語辞典』にも出ているのでメジャーそうだ。今日は入館証作りを達成目標にしていたので、後日また調査に来ることにする。
(関係ないが、雑誌コーナーで『ちくま』10月号を立ち読みし、津村記久子『苦手から始める作文教室』がすでに出ていることを知る。読まねば!)


生協書籍部にも寄りたかったが、雨で面倒くさくなり、昼ごはんを食べがてら帰ることにする。大学構内の食堂だと、在学時のよからぬ思い出が出てくる気がして、最寄り駅のサンマルクカフェでお昼を食べる。キッシュとチョコクロワッサンがおいしいが、シンプルにクロワッサンが食べたい気持ち。冷凍のやつ買おうかな。

 

最寄り駅まで帰る。
寒いし天気悪いし、絶対体調崩すと思ったので、家に帰ったとたんパジャマに着替え水筒のお茶を温める。お茶を飲みながら昨日買った『もっと知りたい 竹内栖鳳 生涯と作品』を読む。

飲み終わって、今日はもう好きなことしよう、とゲームを3時間くらいやる。冷静に考えるとゲーム内でやってることはひたすらタスクをこなすことで、何が楽しいのだろうと思うがついついやっちゃうんだよな。ゲーム、結局仕事と同じ説は社会人になってからずっと私の中で燻ぶっている。

 

17時過ぎには切り上げ、社内メールの返信(やだ!)と運動をする。
夕食に「冷凍鶏団子と冷凍ブロッコリー ~ケチャップ甘酢ソース添え~」(ソースだけ自作)を作りながら、最近読んでいたキャスリーン・フリン『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』の登場人物と自分は結構一緒では……? となる。最近極限まで自炊さぼってるしな。
めかぶのスープは配偶者に好評だった。

 

今日の夜も動悸はする。でも今のところ頭痛などの身体症状には見舞われていないので、天気の変動を少し乗り切れた感はある。

再休職の過ごし方(9月後半~10月前半)

前回のエントリに書いた通り、今は再休職中です。

再休職しました - Yarn Getting Tangled (hatenablog.com)

この記事でも、便宜的に6月~9月前半の休職を第一期休職、9月後半~現在の休職を第二期休職と呼ぼうと思います。

 

第一期休職では、「休職中どう過ごせば自分を責めずにいられるのか? 回復に向かえるのか?」というのが分からず悪戦苦闘していました。配偶者がいる休日はまだいいのですが、一人で家にいる平日はどうしていいのか分からず……。ある日は一日布団にくるまって「今日も何もできなかった」と絶望したり、別の日は思い立って美術館に行き、その日は楽しいけれど、それはそれで「楽しいことはちゃんとできるのに働けない自分はなんなんだ」と責めたり、翌日疲れてまた寝込んだり。

第二期休職に入って、ようやく自分を責めない程度に程よい負荷の日課を続けられ始めたので記録しておきます。

再びの休職、平日どう過ごしているか

朝:とにかく外に出る

私は現在、会社員として働いている配偶者と同居しているので、基本的に朝は配偶者のスケジュールに合わせて行動しています。一人暮らしだと絶対生活リズムを崩していたので、ここはありがたいところ……。

7:30に起床し、朝食・家事タスク(洗濯・洗顔・着替etc...)をこなした後、8:30ごろ配偶者の通勤についていく形で家を出ます。

最寄り駅まで一緒に行き、配偶者を見送ったらそのまま家の方まで戻りつつ、自宅近くの図書館に行きます(日によってはそのまま電車で少し遠方の大きい図書館に行ったりもします)。

これがものすごく助かっていて、強制的に外に出るイベントを作ることで虚無のループから脱することができています。

虚無のループとは、

  1. 配偶者の出勤を見送る
  2. 布団に転がりスマホSNSやら無料連載の漫画やらを読み漁る
  3. 12時ごろまで「今日も何もできていない……」と罪悪感を抱えつつ布団から起き上がれない
  4. 昼食は適当に摂るが、その後再び布団に戻り、「今日もやっぱり何もできていない」と思いながら夕食まで過ごして消えたくなる

を平日延々と繰り返すことを個人的にそう呼んでいます。第一期休職初期とか、そもそも体力・気力が限りなくゼロに落ちている時はむしろ動かない方がいいのかもしれませんが、少し回復すると何もしないことを気に病める程度には元気になるけど、自分で外に出る意志を持てないんですよね……。第一期休職時は、意志がよわよわすぎて自分で家を出られる確率が20%くらいだったので、第二期では配偶者を頼ることにしました。

今のところ片道25分程度の道のりなのですが、往復地点で息切れするので復路は公園で休みつつ歩いています。体力の無さよ……。あと、息切れが続くと耳が詰まるような状態になるんですよね。飛行機の離陸時によくなるやつみたいな感じで、周りの音はクリアなままですが自分の呼吸音や声がこもって反響します。なぜか頭の位置を下げると治ることが多いので、こっそり道端で怪しまれない程度に前屈しています。

当面の目標は往復50分、休憩なし・息切れしない状態で歩き切ることができるようになることです。

図書館ではこうしてブログ記事を書いたり本を読んだりしつつ、お昼までの1~2時間を過ごしています。意外と朝から自習室を利用している方は多いので、謎の仲間意識も芽生えつつあります。

昼:基本は予定を入れずその日次第で

お昼になると、一旦昼食を摂りに家に戻ります。

その後のスケジュールはその日次第で、図書館にまた戻ることもあれば、家の布団で放心していることもあります。図書館に向かう用意をして靴まで履いたものの気力が持たず、玄関でひたすらSNSを眺め続けて2時間経過することすらあり、めちゃめちゃムラがありますね……。

ただ、例え昼がぐずぐずでも、「とりあえず朝動いたじゃん」という免罪符を振りかざせる(自分に対して)ので、第一期ほど落ち込む時は少ない気がします。

個人的な進歩としては、「家でやる気が起きない」という状態だとそれまでは布団一択だったのが、「とりあえず筋トレとかするか……」と体を動かす選択肢も選べるようになってきたこと(勝率50~60%くらいですが)。スマートバンドを付け始めたので、やればやるほどログが蓄積される楽しさもあり、YouTubeで10分ほどの軽い筋トレ動画を見ながらぼちぼちやっています。

夜:負荷が軽めの娯楽でリラックスする

夜は配偶者の帰りまでに夕食を用意するタスクがありますが、かなり内容を軽めにしている(作り置きを温めるか、下味冷凍した肉と冷凍野菜を炒める)ので体裁はともかく継続はできています。

夕食、入浴等のタスクを済ませたら、30分ほどストレッチし、その後は読書なり編み物なりゲームなりの娯楽をするという流れ。

ただ、入浴中湯舟で「今日はXXできなかったな」「明日はXXしなきゃ」と反省タイム&明日のタスク組みを始めてしまう時があり、風呂場から出た後、体は疲れて動けないが動悸だけが活発という状態になります。明日の予定を決めること自体は悪いことではないはずなのですが、そこに焦りがどうしても付いてきてしまうのでしょうね……

また、就寝前はエゾチラムを服用して入眠しやすくしているのですが、最近は布団に入っても1時間程度寝付けないのがデフォルトになりつつあります。

入浴中の反省タイム→動悸が出て寝付けないという流れがあるんだと思うのですが、ここの発生フラグが必ずしも「日中タスクをこなせなかった」だけではない気もしており……(むしろ結構こなせた日の方が、日中の勢いにブレーキをきかせることができなくなっている?)。今後の課題ですね。

物理的に動く習慣、大切

会社員時代はとかく出勤を忌み嫌っていたのですが、今になって「朝、強制的に家を出て数十分歩く」という習慣にとても助けられています。朝の倦怠感を断ち切りつつ、一日の運動量も多少は確保できる

ただ、今のところそれも配偶者ありきで成り立っている習慣なので、将来的に生活スケジュールの変化があると崩れてしまいそうな気もします。早めに自ずから動けるようになりたいですね(休日とかも朝20分くらいは歩くとか……)。

 

あとは課題があるとすればタスク管理の仕方でしょうか。考え出すと「やるべきこと」は無限にあるのですが(退職した場合の社会保障・税金について調べるとかね……)、今は「やるべきこと、やりたくない……やらなきゃ……」と悩むだけで1~2日は平気でつぶせる状態なので、タスクを思いついたらちょっと先のGoogleカレンダーに登録して、自分の思考の外にいったん出すのを実践していきたいですね。

 

9月後半~10月第二週にかけてこのスケジュールで習慣化できてきたので、今度からは美術館に行くなどの変則的なタスクも入れていきたいです。ただでさえ芸術の秋、いろんなところで素敵な展示が開かれているので。

再休職しました

前回9月中旬に、休職していたこと、翌日復職することを書いていましたが、そのあと4日で再休職しました。

今回は再休職の経緯について書いてみます。色んな人(主治医、産業医、身近な人等々……)に「なぜまた休職したのか?」を説明しなければいけないのですが、あまりにも自分が不甲斐ないと思う部分が多く、言葉に詰まって泣きながらしか話せないことがほとんどなので、一旦文章にまとめてみることにしました。

 

ちなみに、この記事では便宜的に6月~9月前半の休職を第一期休職、9月後半~現在の休職を第二期休職と呼ぼうと思います。

 

前回の記事はこちら。

後ろを向きながら、できれば前に歩く - Yarn Getting Tangled (hatenablog.com)

 

 

復職~再休職の経緯

まずは再休職に至った経緯について。

 

復職:配属先で揉める

再休職に至る原因を端的に言うと、配属先で揉めたことの1点につきます。

おそらく、多くの会社では、復職前にどの部署に戻るか会社と相談したうえで復帰することが多いのかと思います。一方、私の会社は復職後に人事と相談しながら配属先を決めるという形式でした。

で、私はここで躓きました。その選択肢が個人的に究極の2択だったのです。

  1. 休職時の部署
  2. 転居が必要な距離の支社に出向

他の会社では元の部署に戻ることが多いというのは知っていたのですが、どうしても1の休職時の部署には抵抗がありました。業務のしんどかった記憶を忘れられないというのもありますし、休職中に1の部署は離任するという形を取ってもらっていたので、「少なくとも元の場所に戻ることはないから大丈夫」と自分に言い聞かせて復職準備を進めていたところがあり、「今更戻りたくない」という気持ちが強く出てしまったんですよね……自分の我を通してしまっている申し訳なさがものすごかったのですが、人事には「他の選択肢があるなら、そちらを優先させてほしい」と伝えました。

 

そこで浮上してきたのが、2の遠方の支社に所属先を変えるという選択肢でした。完全に拠点を移す訳ではなく、1か月につき何日間かはその都市の寮に滞在して仕事してほしいというかなり譲歩してもらった条件でした(それ以外はリモート)。

それでも、果たして今の自分に定期的に家を離れ、一人で知らない場所・同僚・顧客と上手くやれるのか? と言われると自信は無く……。なおかつ、その職場の環境が前職で調子を崩したときのそれと少し似ていたこともあり、そこも悩みの種でした。

ちょうどその話が出たのが連休の前日だったので、「連休中悩んで、月曜朝にご連絡してもいいですか?」と人事担当者にメール。

連休中、うだうだ悩みの沼にはまる

連休中、人事へのメールに返信が来ず、「私がめちゃくちゃわがまま言ってるから呆れて返信できないってこと?」とまず悩み、遠方に行けるのかどうかでも悩み、やっぱり復職すべきじゃなかった、もう何もできない、消えてしまいたい……と、あっという間に希死念慮込みでどろどろした鬱の沼に浮かんでいるような状態になりました。

ちょうど心療内科の診察があったので、主治医に「元の部署か遠方の支社かで悩んでいます」と言うと「あなたの体が自然に決めてくれますよ」と返され、あまりにもそれは無責任では? とイライラし(主治医の先生は症状に合わせた薬の処方がメインの仕事であって、カウンセリングが職分ではないというのは重々分かっているのですが)、配偶者含め周囲にも当たり散らす最低さ。この時は第一期休職の一番ひどい時期にかなり近い状態で、本当に消えてなくなりたいと思っていました。

人事担当者に連絡するが……

とはいえ、遠方に異動「かもしれない」状態だけでここまで荒れるなら、実際に働くのはもう無理だろうと結論を出し、週明け月曜日に「すみません、やっぱり2は今の体調的に難しそうなので1か別の選択肢を選ぶことはできますか?」と人事担当者にメールしました。

すると、10分ほどで人事担当者の更に上の上司から、「どういうこと?」から始まるメールが届きました。「元の場所はあなたが「嫌だ」というから別の選択肢を紹介したのに、今更何を言っているのか? ビジネスの現場なのだから100%自分の希望が叶う条件はあり得ない」という内容。書かれていることは本当に正しく、かつ「やっぱり連休前送ったメールに返信来なかったのは勝手すぎて呆れられたからなんだ……」というショックを受け、ひたすら「すみません」と謝り倒すメールを送り、でもやっぱり地方都市には行けない、もう辞めるしかない……とパニックに。その後、担当者と改めて相談して、また休職することになりました。

復職日から4日。せめて1~2か月は続けたいと思っていたのに、それよりもずっと前のステップで躓いてしまったこと、担当者を振り回してしまったことへの不甲斐なさでいっぱいでした。書いている今も自分の弱さがほとほと嫌になります……。

再休職の反省点

一連の出来事の原因は、ただただ「自分の準備が整わないまま(会社の求める水準に達さないまま)復職してしまった」ということに尽きると思います。たまたま選択肢が極端だったというタイミングの悪さ(所属を変えないまま他部署を紹介してもらえるケースも多いので)はあるとはいえ、改めて書き出してみると、自分が焦って物事を進め、「やっぱり無理です」と駄々をこねている構図。

とはいえ、このまま自分を責めていても、「自分が消えて無くなるのが一番平和」という結論にしか辿り着けないのは第一期休職で経験済みです。そして同じことを繰り返してしまう。そうならないために、次活かせる反省点があるとすれば下記3点でしょうか。

回復より焦りを優先してしまった

「自分の準備が整わないまま復職してしまった」のは、「仕事ができていない自分への焦り」を「自分自身の回復」より優先させて行動した結果です。

復職前のエントリを読み返すと「ほんとこいつ数日で再休職しそうだな」と自分でも思うほどその点が如実ですね……。就職してからというもの、自分の価値を「定職に就いていて毎月それなりの額を家に持ち帰ってくる人間である」ことに置いていたことが分かります。

これは配偶者と対等なパートナーシップを結ぶために経済的に同等でありたいというこだわりがあること、毎週電話している祖父に休職していることを言えていない後ろめたさなどなどがこんがらかっており、なかなか解けない気がします。

とはいえこればっかりは、根気強く向き合うしかないですね……。

自分の状態を把握しきれていなかった

上ともやや重複しますが、焦りゆえに自分がいまどのくらい回復しているのかが全く見えない状況だったのも、復職タイミングを見誤った原因です。

とはいえ、第一期休職時も、「休んでいても、仕事していない自分を責めすぎて辛くなり、そのうち回復できるという実感がない」ということでくよくよ悩んでいたので、何をどうしたら休む自分を責めずにいられるのかは模索中です……。

とりあえず、睡眠や運動量など定量的なログが取れたら心理的に安心するかも? ということで、3000円代の安めのスマートバンドを付け始めてみました。

Amazon.co.jp: Xiaomi(シャオミ) Mi Smart Band 5 日本語版 1.1インチ有機ELディスプレー 14日間のバッテリー持続時間 10種類スポーツモード 5ATM防水 60種類以上文字盤種類 活動量計 : 家電&カメラ

あと、その日その日の感情や出来事を記録するのにDaylioというアプリを使っています。これは地味に大学院で調子を崩したころから3,4年使っていますが、休職してから結構がっつり書くようになりました。毎日リマインドしてくれるのでちょうどいい。

ブログを書いておきながらなんですが、オフラインで誰に読まれるでもない日記を書く気軽さっていいよね……とかみしめています。Daylioで好き勝手に書き殴った文章が、はてなブログやnoteの下地になっているので。

Daylio - 気分を記録する日記 - Google Play のアプリ

 

周囲への相談が足りなかった

今回はとりわけ人事担当者に、「自分がどういう症状でこの3か月休み、どれくらいは回復し、どのような業務上の配慮が必要なのか」というのを積極的に伝えるべきだったなと思います。会社の産業医の先生から何か連携あるだろうと勝手に思って自分からの情報共有を怠ってしまい、「残業は制限されている」など最低限の情報しかこちらからも伝えていなかったですし、担当者側からは聞きにくいことだよなと今更ながら思うので……。

また、ベタですが休職・復職経験がある人に経験談を聞くのも大切だなと思いました。前職の同期で1人復職経験者がいたのですが、第一期休職時は「相手は休職時のことはあんまり思い出したくないのではないか」などと考えて勝手に連絡することを遠慮していました。たまたま復職時のタイミングで会う機会があり、「何でも聞いて!」と本人が言ってくれたので、再休職が決まった時に甘えさせてもらいました。

結果的には、「自分が復職できるくらい回復したって思えたタイミングっていつ?」など色々聞けて、不安が和らいだというか、一人で苦しんでいるわけではないと分かって本当に助けられました

それから、ネットの先人達の記事も支えになっています。適応障害時のしんどさや経過を綴っているブログでいくつか大学院生の頃から愛読しているものがあり、今回もまた記事を読んでは共感し、上に書いたような問題への対処法のヒントをもらい続けています。本当にありがたい。

今後:再復職なのか退職なのか

一応、今回の休職は3か月ほどの長さです。

今の会社に再び戻るのか、すっぱり辞めて別の働き口を探すのかの二択ですが、少なくとも今月はあまりそこを考えずに休もうと思っています。

いちばんありえそうなシナリオ(1日~数日、あるいは数か月後に再び休職する)になっても落ち込まない。それはそれで、今の会社で働くことが、自分にとっては海水魚を琵琶湖に放すようなことだと分かるということだから。

ただ、復職時エントリで自分自身がこう書いている通り、4日しか持たなかったということはそもそも生態系が合わないんだろうとも思います。チャレンジしたいことも実はあるので、気持ち的には退職に傾いているというところ。

とりあえず、やりたいことをぼちぼちやります。トーハクの国宝展など行きたい展示もいっぱいあるし、WestknitsのMKALも楽しい。とにかく今は焦らず休むことに注力します。