編み物のこと
編み物が好きだ。特に棒針編み。(写真は今年編んだ手袋)
筆で線を引くするように、自由に毛糸を編んでいくかぎ針編みとは違って、棒針編みはいちど引いた線をそのまま上へと徐々に塗り重ねて面にしていくような営みだ。編み方にもよるけれど、基本的に土台がしっかりしていれば、あとは機械的に同じ作業を積み重ねていくだけで面ができていく。もちろん手を動かしているのは自分なのだけれど、単純作業を繰り返す手を半ば客観的に、勝手に動く機械を見ているような気持ちで自分と切り離すことができる。この距離感がいいのだ。編む片手間に横目でNetflixを延々と見続けるのもよい。
あと、これはかぎ針にも共通することだけれど、一本の線が絡み合って面となる過程に説明し難い感動というか喜びを感じる。出来上がった編み地をいつまでも撫でていたい。
多少まちがってもほどけば一本の糸になるというのもよい。もちろん編み目を一目落としたところからどんどんほどけてしっちゃかめっちゃかに絡まることも多いけれど、大概は落ち着いて対処出来ればなんとかなる。その点で、編み物は裁縫などのほかの手芸より私の肌にしっくりくるのだ。
…と偉そうなことを書きながら、実はわたしが編むのは手袋などの小物ばかりで、実はほとんどセーターなどを編んだことがない(一度だけあるが、前身頃と後ろ身頃をはぎあわせるところで挫折した)。今年か来年に1着は編んで見たいところだ。
これとかね(Kate Daviesさんのowl sweater)。